Design Your Future
オモシロイで、未来をつくる
いま時代は、大きな転換期を迎えています。「情報化社会」から、AI・ロボットに代表されるSociety5.0「超スマート社会」へと移り変わっています。これは、少子高齢化・人口減少・医療・環境などの現実社会の深刻な問題をテクノロジーにより課題解決を目指すというものです。現代社会は、「壊れやすく、不安が強く、変化が予測しにくく、人間には理解しきれない社会」を意味するBANI社会と呼ばれています。VUCAよりさらに現代的な社会状況を表しています。「答えのあった世界」から「答えがない世界」への変遷とも言えます。この社会において必要な資質・能力は、コンセプチュアル思考であると言われています。これには、「正解を選択する力よりも、選択した道を正解にする力」、「様々な予測不能な事象が発生し、情報過多の中、物事の本質を見抜く力」などが挙げられます。学校教育においては、Society5.0「超スマート社会」のテクノロジーに対応する人材育成も必要ですが、それよりも、何が起きるかわからないBANI社会で生き抜く力、すなわち「主体性」に富んだ人材育成こそが求められていると考えます。主体性とは「答えのない世界で、自ら動きだす力」です。言うなれば行動力です。行動力に必要なのは、知識を中心としたロジカルな左脳ではなく、右脳を働かせ自らの「観・感・勘」を活かすことです。ただし、脳の構造上、右脳=感性、左脳=論理と明確に分かれてはいませんので、実際は、理性と感性の間の行き来が必要になってきます。学校教育においては、教科書を中心とした知識もさることながら、思考力・判断力・表現力、さらには、創造性といったイノベーション・クリエイティブな要素を教育に落とし込み、授業・行事・学校生活、すべての面で、生徒の直観・感性に迫る教育を展開しなければならないのです。京都明徳高校では、「デザイン思考」を用いて、これらの教育課題を解決しています。この思考のポイントは、これまでの常識を疑うこと、既存の教育活動の枠に捉われないこと、創造的な手段を持つこと、何より「ユーザー最優先」であることです。学校におけるユーザーとは、もちろん生徒一人ひとりになります。令和の日本型学校教育の構築を目指して「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」という答申が出されて、5年が経ちました。個別最適化学習により、「誰一人取り残すことのない学び」が掲げられています。ただ、一人ひとりが違うからといって、一人ひとりに個別の学習メニューを組めば良いかというと、そうではありません。「個別最適な学び」が「孤立した学び」にならないように、「個別最適な学び」と「協働的な学び」が一体的に充実しなければなりません。だからこそ、本校では、「学び」を授業だけではなく、学校生活(ホームルーム)にも力を入れております。「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味が込められた令和という言葉に相応しい、生徒同士が互いに「個」を尊重し、自然と心が惹かれ合い、寄せ合い、助け合う、そんな学校づくりを目指しています。100周年を迎えた本校は、生徒・教職員ともに、求心力(異質な価値観や文化の流入)と遠心力(多様な可能性の広がり)を働かせ「創造する空間の場」とした学校づくりを目指していきます。そこでは、人間中心のイノベーション「ひとイノベーション」が起き、生徒にとって能動的で主体的な学びを獲得していくものだと確信しています。そして、その学びが、未来社会において、自らの力となり、未来を「自分の力」で切り拓く人材になることを願っています。
学校長 二宮 庸介
